5五は天王山

将棋には多くの格言がありますが、その中でも「5五の位は天王山」は、盤上の主導権をめぐる象徴的な言葉です。 平手戦では5五位取り中飛車が有名で、 駒落ち将棋では上手(駒を落とす側)が5五の位を取って圧力をかけるのが常套手段。 劣勢を補うために、中央を制して「持久戦」へ持ち込もうとするのです。 つまり、5五の位を押さえることで局面を有利に導く足がかりを得られます。

 

勝負の分かれ目=天王山 「天王山を制する者は戦を制す」という言葉どおり、 盤上だけでなく、歴史上の戦い(関ヶ原など)でも 勝敗を分ける分岐点=天王山が存在しました。 この概念は、将棋にとどまらず、 不動産取引やビジネスにおける「勝負どころ」にも通じます。

 

不動産売却における「5五の位」 売り手側にとっての天王山は、 適切な売出価格の設定 販売戦略(広告・囲い込み対策) 初期の反響対応スピード これら初動で主導権を握れれば、 値下げ競争に巻き込まれず、優位な交渉ポジション(=位)を確保できます。 逆に初動を誤れば、相場感を失い、 後手後手で価格を削る展開に陥る危険があります。

 

不動産購入における「5五の位」 買い手側にとっての天王山は、 物件探しの情報網と意思決定スピード 融資事前審査の準備 買付申込タイミング 優良物件は競争率が高く、一瞬の判断が勝敗を分ける場面が多々あります。 事前に融資や条件を整え、いざという時に一手先んじる準備が 5五の位を押さえることに等しいのです。

 

あなたにとっての「天王山」はどこか 経営において「位を張る」とは、 自社のこだわり=顧客に与える真の便益を主張し続けること。

小規模企業においては、創業者のこだわりや理念が 「見えざる資産」として、取引全体の信頼感を左右します。 そこには、能動的な意思決定の蓄積があります。

 

あなたの事業・取引・人生において、 5五の位=天王山はどこでしょうか。 そして、その大切な「位」を主張し続けているでしょうか。 今一度、自身にとっての「勝負どころ」を見つめ直してみるのも良いかもしれません。

 

2025年09月12日